弁護士 古川拓からのメッセージ
心の「ゆれ」も大切に
依頼者の方と打ち合わせをしながら事件を進めていると,依頼者の方が方針について迷い,決めかねられるときがあります。
私は,依頼者の方のこのような迷いや逡巡は,むしろあって当然だと考えています。
もちろん,依頼者の方の中には,相談の中で今の状況を整理してあげれば,スッキリと前に踏み出せる方もおられます。
また,既に自分で選んでいる途に踏み出す上で,弁護士に太鼓判を押してもらいたくて相談される方もおられます。
しかし,そもそも弁護士に相談に来られる方の多くは,悩みや問題をご自身で抱えきれなくて来られているわけです。
しかも,そこでの決断が,人生のとても大きな岐路になっていることが多いです。
仕事に倒れた夫。残されて子どもを抱える妻。自らの責任を認めようとしない企業。
真実を追求し,夫の名誉回復を求めてたちあがるのか。
長く苦しいたたかいに,傷つけられたこころや身体がもつのだろうか。
資金繰りに行き詰まった中小零細企業の代表者。
経営状況を厳しく分析しつつ,再生に向け,乾坤一擲の努力を図るのか。
身内や従業員への被害拡大リスクを熟慮して,早期に会社を閉じるのか。
ときには重く,かつ苦しい選択だと思います。何が正しい選択か,簡単に答えは出ません。
そんな場合,いくら弁護士からいくつかの選択肢を示されたとしても,すぐに決断して行動する,ということにならないのは,当たり前とさえ言えるでしょう。
だから,私としては,状況が許す限り,そういったときの依頼者の方の心の「ゆれ」を,むしろ大切にしていきたいと思っています。
人は,色々考え,思い直し,悩みながら,そのとき考えられるより良い途を選択していきます。
その過程があるからこそ,抱えておられる悩みや問題を,いつの日か乗り越えていくことが可能になるのだと思います。
「ゆれ」つつも,より良い選択をしていただく,その際の良きアドバイザーでありたいと思っています。
(2008/08/12)
祇園祭とトコロテン
祇園祭の季節がやってきました。
既に夕方の京都市内では山鉾が各通に出ており,交通規制も相まって混雑しています。
祇園祭にちなむ食べ物といえば鱧料理といったあたりがすぐに思い浮かびますが,私にとっては「トコロテン」が,忘れられない思い出です。
確か,小学校4年くらいだったと思いますが,母方の祖父母が京都に祇園祭見物に来るということで,学校を休んで一緒に山鉾巡行を観に行きました。
例年に漏れずその年もすごく蒸し暑く,山鉾巡行の後半が雨になったことを覚えています。
雨を避けて入った喫茶店で出てきたのが,初体験の「トコロテン」でした。
当時の私にとって喫茶店に入るというのは年に一度もない経験で,自分で注文することもせず,ただただ出てきたものを食べたわけですが,その喉ごし・食感に,こんなにうまいお菓子があるのかとびっくりした記憶があります。
その際,祖父母が「これはトコロテンという食べ物だよ」と教えてくれたと思うのですが,これがどうしても思い出せず,長らく再び口にすることができませんでした。
その後の家での会話,
私「こんな感じの食べ物だったけど,名前が思い出せない」
母「うーん,それは水無月かな?」
私「そんな名前だったかもしれない」
ということで買ってきてもらった「水無月」を前に,「こんなモチッとしたものではなかったな。。」とがっかりしたこともありました。
「だんごどっこいしょ」という昔話がありましたが,まさに同じ状態で,もどかしくもたどり着けない「幻の」お菓子だったわけです。
その後時間が経ち,大学生になってからトコロテンに再会し,「そうそう,この食感!」と,非常に懐かしい思いをしたことを覚えています。
今では,祖父は既にこの世を去り,祖母に会いに行く機会もなかなか持てないでいる現状ですが,祇園祭の時期が近づくと,いつもこのことを思い出しています。
(2008/07/16)
事件は現場で。。
今の事務所を開業してから,現場に行ってあれやこれやすることが多くなっています。
昔,「事件は現場で起きてるんだ!」と叫ぶ警察官のドラマがありましたが,私たち弁護士にとっても,やはり現場は大事です。
現場に行くと,話を聞いて想像していたよりも多くを感じ,発見をします。
事故現場や,明渡が問題となっている建物なんかを見に行くことが重要なのは勿論ですが,不当解雇の労働事件でその人が働いている現場を見に行くなど,一見重要な争点と関係がないように思える場合でも,想像力や新しいアイデア,説得的な主張ができるようになったりすることがままあります。
地域に根ざした事務所らしく地の利を活かした,ひと味違った事件活動をしていきたいものです。
(2008/07/09)
はじめまして
今年の4月から,桂駅前で開業しています。
弁護士登録以来,大阪にて,市民と中小企業の方を中心にお仕事させていただいていましたが,自分自身の住み暮らす地域に身近なところで仕事をしたいと思い,開業した次第です。
これから,なるべくこまめにブログを更新していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
(2008/07/07)

