弁護士 古川拓からのメッセージ
離婚事件についての基本的な姿勢(1)
らくさい法律事務所で離婚事件を担当する際には,次の2点がポイントだと考えています。
①他の事件に比べても,より一層お客様のご希望・お気持ちを大切にした解決をめざすこと。
② できる限り相手方との話し合いによる解決をめざすこと。
なぜ,このように考えているかについてご説明します。
①お客様のお気持ちを大切に
らくさい事務所では,どのような事件においても,お客様のお気持ちやご希望を大切にしたいと心がけています。
しかし,離婚事件は,お客様の人生にとって,お子様や配偶者との関係のあり方という,単にお金でははかれない問題を扱うことになります。
そこでは,お客様のライフスタイルや人間関係についての考え方が,事件の進め方に大きく影響してきます。
そこで,例えばお金の貸し借りや代金請求などと比べても,弁護士がお客様の気持ちを理解し・共感してサポートすることが,特に大切になると考えています。
②できる限り話し合いによる解決を
離婚事件の特徴は,事件が終了した後も,夫婦関係にあった相手との関係がすぐに切れないケースが多いことだと思います。
つまり,お子様がおられる場合などに,養育費や面接交渉などの問題があり,お子様が成人するまではこの限りでは関係が続いてしまうのです。
お子様の養育者になった方にとっては,相手がしっかり養育費を払ってくれるかどうかが大きな問題です。
逆に,相手方が養育者となっている場合には,相手が責任を持って面接交渉に応じてくれることを,何としても確保したいと考えられることでしょう。
ここで,これらの問題を最後まで(判決や審判まで)争った場合,仮に裁判所から有利な判断をもらえたとしても,相手の協力がないと,権利の実現がうまくいかない場合があります。
例えば,養育費を支払わないとか,面接交渉に応じてくれない,といったケースがよくあります。
その場合,さらに裁判所に働きかけて権利の実現をめざす手段もあるにはあります。
しかし,どうしても手間や時間,費用などがかかってしまいますし,相手の状況や態度によっては,それでもうまくいかないケースさえあります。
やはり,相手が自発的に約束を守ってくれるのが,長い目で見ると一番労力が少なくてすみます。
「約束を守るのは当然」なのですが,残念ながら,相手がそのように誠実であれば,そもそも裁判手続まで至っていない場合が多いのです。
そして,裁判所から一方的に言い渡されるよりも,「守ります」と宣言してもらうほうが,相手自身にとって最低限の「重し」になることが案外多いと考えています。
(判決・決定も,調停成立・和解も法的効果は変わりませんが,自分で宣言した分守ろうとする可能性が高い,という意味です)
もちろん,何が何でも話し合いで終わりさえすれば良いとは考えていません。
客観的事情や相手方の態度によっては,時間と労力をかけてでもスジを通したり,毅然とした態度を取るべきだと思いますし,その場合はj迅速・果敢に行動していきます。
特に,お子様の親権者となった方にとって,相手が正当な理由もなく養育費を支払わない悪質な場合が少なくありません。
そういった場合は,強制手続を含む様々な手段を使いながら権利の実現をめざします。
らくさい法律事務所では,お客様それぞれの事情に応じて,様々な選択肢や方法などをアドバイスし, 納得のいくご判断をしていただくサポートをしていきたいと思っています。
(2008/09/03)
わかりやすいご説明を
法律相談などで,お客様に対してご説明を差し上げていて,口頭でお話しするだけではうまく伝わらないこともあります。
やはり,法律の問題は難しく,一度聞いただけでしっかり理解できる方は,とても能力の高い方だと思います。
私としても,何度かお話を差し上げる中でわかっていただければ十分だと思っていますし,お客様も,そのように考えてリラックスしてご相談いただければ幸いです。
ちなみに,当事務所では,お客様からご希望があるか,なくても弁護士が必要だと判断した場合,
報酬見積もり書
を作成しています。
この報酬見積もり書には,
①お客様からお聞きした事件の概要,
②弁護士がその時点で見立てた事件の見とおしと想定される解決方法,
③その方法をとった場合にかかる料金や報酬など,
を記載しており,お持ち帰りいただいてご検討いただくことができます。
さらに,事件の内容が複雑であったりして,口頭ではご理解いただくのが難しい場合,パワーポイントなどを使用してご説明を差し上げる場合などもあります。
これは,団体の会合や会社の役員会などといった場所で,担当している事件のご説明を差し上げる場合などにしばしば用いています。
紙媒体よりも,短時間でうまく内容をご理解いただける場合もあり,今後も状況に応じて活用していきたいと思っています。
いずれにせよ,当事務所では,わからないことは全く恥ずかしいことではありません。ご安心してご相談いただければ幸いです。
(2008/08/29)
労働事件に取り組みながら思うこと
私は,労働事件について積極的に取り組む弁護士の1人ですが,なぜ積極的に取り組もうとしているかについて書きたいと思います。
一口に「労働事件」と言っても,パワハラ,セクハラといった職場内の嫌がらせやいじめの問題,サービス残業の残業代請求や労働条件の改善,労災や過労死,過労自殺などの問題など多岐にわたります。
これらの事件の多くに共通しているのは,
①職場内が一種の密室で,証拠に乏しいことがよくあること,
②雇い主(使用者)と従業員(労働者)の間の力関係に差があって,労働者が泣き寝入りすることが多いこと,
などです。
②については,労働組合が元気な会社であれば,仲間の中で支えられながらがんばって声を上げることができる場合もあるかと思います。
しかし,①については,仕事仲間に証言してもらうことができない場合が出てきたり,証言してもらっても有効なものとならない場合もしばしばあります。
その場合,
①どのようなものが有効な証拠となりうるか,
②その証拠はどんな場所に存在して,入手方法はどうするか,
③どのようにして裁判所や労基署など関係機関にアピールするのが効果的か,
という点から,訴訟などの法的手続きを取ることができる専門家としての弁護士がお客様をサポートしながら事件を進めることが,とても重要になってきます。
この点,証拠の場所・収集方法や,効果的な証拠の使い方などは,スピードや証拠収集での現場感覚をはじめ,この分野で意識的に取り組んできた弁護士が各種ネットワークと連携して蓄積したノウハウによって大きな差が出ます。
私自身も,自分自身の経験とネットワークで得る知識の積み重ねによって様々な手法を取り入れており,腕の見せ所の一場面だと自負しています。
(※具体的な証拠や収集方法については,ブログなどでは公開できないものが多いのでここでは述べません)
しかし,それでも事件によっては,お客様ご自身に大きな負担がかかってしまうことも少なくありません。
ただでさえ,労働者の方は,生活を維持するためにも,働きながら様々なことの準備をしなければいけません。
また,ご本人が倒れてしまわれた場合には,ご家族の方が生活を立て直しながら準備せざるを得なくなるでしょう。
つまり,もともと労働者が雇い主との間でたたかうことには,ハンディキャップがあるといえます。
私は,日々,そういうハンディキャップによって泣き寝入りをする人が1人でも少なくなってほしい,と思って弁護士の活動を行っています。
お客様と一緒にハンディキャップをはねのけ,お客様の声を現実の力にしていくところにこそ,私のよろこびがあると思っています。
労働事件は,このハンディキャップが色濃く出てしまう事件の一つであると言えるでしょう。
そうである以上,私自身が専門家として関わることで,1人でも多くの労働者の方が泣き寝入りをせず,自分自身の声を力にかえていくことのお手伝いができれば幸いだと思います。
労働事件は,そう言う意味で,苦労も多いですが,やりがいのある仕事だと考えています。
(2008/08/27)
「とりあえず内容証明」にご注意(1)
お客様からご相談を伺っていると,
「とりあえず,内容証明を出して欲しい」
というご相談や依頼を受けることがあります。
形式も「本格的」だし,裁判の証拠にもなるということで,相手にものを申す場合に,とても有効な文書であるように思います。
しかし,この「内容証明」,例えば,
「貸したお金(あるいは売掛金など)が返ってこないので,相手に請求したい」
とか,
「被害を被った相手に対して,慰謝料(賠償金)を請求したい」
というご相談の場合,「とりあえず内容証明を出」してしまうと,かえってお金の回収を困難にすることがあります。
なぜか。
俗っぽく言ってしまうと,相手に「逃げられる」可能性があるからです。
お客様の相手方が,あなたからの支払を求める「内容証明」を受け取った場合,「こんなものを送ってくるとは,●●さん(お客様)は本気だな」という印象を抱くでしょう。
その相手方は,お客様の主張に身に覚えがあっても,「何とか逃げられないか」と往生際悪く考える人ではないでしょうか。
そして,おそらくお客様は,ご自身で相手と交渉しても相手に誠意がないなどで,うまくいかなかったことから弁護士にご相談されようとしていることと思います。
残念ながら,そういう相手方は,来るべき強制執行などに備えて財産隠しを行う場合が少なくありません。預貯金を引き出したり,自分のもっている不動産を誰かに譲渡してしまったり。。。
仮に裁判までやって勝訴しても,相手に財産がないと,こちらに現実にお金を取り返せず,判決も紙切れと変わらなくなってしまいます。
。。と考えてくると,このような相手に対して出す「内容証明」は,「今から攻撃しますよ」と予告しているに等しく,相手方に財産隠しの時間を与えるだけになりかねません。 そして,一旦財産隠しをされると,これを探し当てることはきわめて困難です。
むしろ,これは,「内容証明」を出さないで,債権の保全手続き(仮差押えなど)を行うことが必要な場合,かもしれません。
こう考えてくると,しっかりした見とおしのない「とりあえず内容証明」という考え方は,相手方からの回収のチャンスを不用意に摘んでしまう危険があることを,おわかりいただけたかと思います。
したがって,具体的な見とおしのないままに「とりあえず内容証明」を出す,ということは当事務所では行っておりません。
どのようなやり方が有効か,あるいはお客様の意向に沿ったものか。
当事務所では,お客様から,ご相談を十分伺った上で見とおしを立て,一番有効な方法をご提案したいと考えています。
(2008/08/17)
心の「ゆれ」も大切に
依頼者の方と打ち合わせをしながら事件を進めていると,依頼者の方が方針について迷い,決めかねられるときがあります。
私は,依頼者の方のこのような迷いや逡巡は,むしろあって当然だと考えています。
もちろん,依頼者の方の中には,相談の中で今の状況を整理してあげれば,スッキリと前に踏み出せる方もおられます。
また,既に自分で選んでいる途に踏み出す上で,弁護士に太鼓判を押してもらいたくて相談される方もおられます。
しかし,そもそも弁護士に相談に来られる方の多くは,悩みや問題をご自身で抱えきれなくて来られているわけです。
しかも,そこでの決断が,人生のとても大きな岐路になっていることが多いです。
仕事に倒れた夫。残されて子どもを抱える妻。自らの責任を認めようとしない企業。
真実を追求し,夫の名誉回復を求めてたちあがるのか。
長く苦しいたたかいに,傷つけられたこころや身体がもつのだろうか。
資金繰りに行き詰まった中小零細企業の代表者。
経営状況を厳しく分析しつつ,再生に向け,乾坤一擲の努力を図るのか。
身内や従業員への被害拡大リスクを熟慮して,早期に会社を閉じるのか。
ときには重く,かつ苦しい選択だと思います。何が正しい選択か,簡単に答えは出ません。
そんな場合,いくら弁護士からいくつかの選択肢を示されたとしても,すぐに決断して行動する,ということにならないのは,当たり前とさえ言えるでしょう。
だから,私としては,状況が許す限り,そういったときの依頼者の方の心の「ゆれ」を,むしろ大切にしていきたいと思っています。
人は,色々考え,思い直し,悩みながら,そのとき考えられるより良い途を選択していきます。
その過程があるからこそ,抱えておられる悩みや問題を,いつの日か乗り越えていくことが可能になるのだと思います。
「ゆれ」つつも,より良い選択をしていただく,その際の良きアドバイザーでありたいと思っています。
(2008/08/12)
祇園祭とトコロテン
祇園祭の季節がやってきました。
既に夕方の京都市内では山鉾が各通に出ており,交通規制も相まって混雑しています。
祇園祭にちなむ食べ物といえば鱧料理といったあたりがすぐに思い浮かびますが,私にとっては「トコロテン」が,忘れられない思い出です。
確か,小学校4年くらいだったと思いますが,母方の祖父母が京都に祇園祭見物に来るということで,学校を休んで一緒に山鉾巡行を観に行きました。
例年に漏れずその年もすごく蒸し暑く,山鉾巡行の後半が雨になったことを覚えています。
雨を避けて入った喫茶店で出てきたのが,初体験の「トコロテン」でした。
当時の私にとって喫茶店に入るというのは年に一度もない経験で,自分で注文することもせず,ただただ出てきたものを食べたわけですが,その喉ごし・食感に,こんなにうまいお菓子があるのかとびっくりした記憶があります。
その際,祖父母が「これはトコロテンという食べ物だよ」と教えてくれたと思うのですが,これがどうしても思い出せず,長らく再び口にすることができませんでした。
その後の家での会話,
私「こんな感じの食べ物だったけど,名前が思い出せない」
母「うーん,それは水無月かな?」
私「そんな名前だったかもしれない」
ということで買ってきてもらった「水無月」を前に,「こんなモチッとしたものではなかったな。。」とがっかりしたこともありました。
「だんごどっこいしょ」という昔話がありましたが,まさに同じ状態で,もどかしくもたどり着けない「幻の」お菓子だったわけです。
その後時間が経ち,大学生になってからトコロテンに再会し,「そうそう,この食感!」と,非常に懐かしい思いをしたことを覚えています。
今では,祖父は既にこの世を去り,祖母に会いに行く機会もなかなか持てないでいる現状ですが,祇園祭の時期が近づくと,いつもこのことを思い出しています。
(2008/07/16)
事件は現場で。。
今の事務所を開業してから,現場に行ってあれやこれやすることが多くなっています。
昔,「事件は現場で起きてるんだ!」と叫ぶ警察官のドラマがありましたが,私たち弁護士にとっても,やはり現場は大事です。
現場に行くと,話を聞いて想像していたよりも多くを感じ,発見をします。
事故現場や,明渡が問題となっている建物なんかを見に行くことが重要なのは勿論ですが,不当解雇の労働事件でその人が働いている現場を見に行くなど,一見重要な争点と関係がないように思える場合でも,想像力や新しいアイデア,説得的な主張ができるようになったりすることがままあります。
地域に根ざした事務所らしく地の利を活かした,ひと味違った事件活動をしていきたいものです。
(2008/07/09)
はじめまして
今年の4月から,桂駅前で開業しています。
弁護士登録以来,大阪にて,市民と中小企業の方を中心にお仕事させていただいていましたが,自分自身の住み暮らす地域に身近なところで仕事をしたいと思い,開業した次第です。
これから,なるべくこまめにブログを更新していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
(2008/07/07)