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弁護士 古川拓からのメッセージ

会社が倒産する際に(2) 手形・小切手の不渡り

前回,会社が「倒産」「破綻」するということは,おおむね以下の場合があると説明しました。

(1)6ヶ月以内に2回手形・小切手が不渡りになった

(2)私的整理(任意整理)

(3)民事再生

(4)会社更生

(5)破産

今回は,(1)の場合について説明します。

手形や小切手の制度について詳しい説明はここでは省略しますが,要するに,

取引時に現金を支払うのではなく,後日(「支払期日」といいます),当座預金口座のある銀行から引き落としてもらう

というやり方です。

ところが,その支払期日に,資金繰りが詰まったりして,当座預金が残高不足で引き落としできないという事態が発生します。

これを,手形の不渡り,と呼んでいます。

もちろん,何かの手違い,と言うこともあるので,1回であれば単なる事故ですみます。

しかし,これを6ヶ月間に2回起こしてしまうと,

銀行は,

他の銀行にも通知して取引を停止した上で,

借金があった場合その全額の返済を求めてきます。

保証人がいれば,そちらにも通知や取立が行きます。

要するに,

全ての金融機関からそっぽを向かれた上で借金返済を迫られる状況になり,会社経営としては存続の危機と言えるでしょう。

直ちに会社が破産に至るとまでは言えないですが,まさに事実上「倒産」状態であると言えます。

手形・小切手などを会社が扱っている場合,経営者の方は言うに及ばず,労働者の方も,上記についての知識を踏まえていただければ幸いです。

(2008/09/21)

会社が倒産する際に(1) 基礎知識編

 

よく,新聞やTVなどで,会社が「倒産」するとか「破綻」するという言葉を目にします。

こう聞くと,「ああ,あの会社はもう終わりなんだな」と思い,会社がなくなってしまうのだと思われる方も多いかも知れません。

しかし,正確には,「倒産」とか「破綻」という言葉は,もっと広い意味で使われています。

だから,まず「会社が倒産する!」という情報をキャッチした場合,あわてずに正確な情報を掴むことが,その後のご自身の行動を決める上で大事です。

一般に,会社が「倒産した」とか「破綻した」という場合,次の5つのどれかに該当すると言われています。

(1)6ヶ月以内に2回手形・小切手が不渡りになった

(2)私的整理(任意整理)を開始した

(3)民事再生

(4)会社更生

(5)破産

これらのうち,会社がなくなることが決定しているのは(5)だけです。

その他の場合は,その後の推移で会社を身売りするなどして事実上会社がなくなる場合もありますが,確定とは言えません。

むしろ,経営者が何とか会社を存続させる方向で考えていることが多いです。

そこで,まずは会社がどの状態に入っていくのかを見定めた上で(経営者の方であれば決定した上で),次の対策を考えて行くことになります。

次回以降順番に,それぞれの状態について分かりやすく説明していきます。

その上で,経営者の方・労働者の方の,事態を乗り切る考え方について私の意見を述べたいと思います。

(2008/09/18)

リーマンブラザーズ破綻

アメリカの大手投資銀行であるリーマンブラザーズ社が破綻し,会社更生手続申請(アメリカ法)を行うという記事を読みました。

http://www.asahi.com/business/update/0915/TKY200809150142.html

要するに,

①負債が大きすぎてこのままだと会社がやっていけないので,

②裁判所から経営者となる人(更生管財人)を任命してもらい,

③その人の下で,負債の大幅カットをするか会社を身売りして債権者に返済する,

という手続きに入ったということです。

「ハゲタカファンド」という言葉が新聞やテレビで踊り,経営危機に瀕した企業をはじめとした企業への投資・買収を行ってきた同社ですが,ついに自身がその対象になってしまったということでしょう。

ただ,この話を私たち市井の人間に活かすとすれば,どのような企業であれ倒産する可能性があることを認識し,万が一に備えるということでしょうか。

景気が退潮傾向にある現状からすれば,残念ながら,ご自身が経営したり働いていたりする会社が倒産する事態に直面する方も多くおられると思います。

そのような場合に自分自身はどのように行動すべきか。

何を知っていれば,最悪の事態を避け,生活をまもることができるのか。

やはり,倒産に際しても,これに関する法律や制度について一定の知識を持っていた方が,大変な中でも適切に行動することができると思います。

そこで,今後,それぞれ経営者の方・労働者の方にとって,会社が倒産する場合に知っておいた方が良いと思われる法律知識や制度について,わかりやすく説明していきたいと思います。

 

(2008/09/15)

「いのち」の問題に取り組むこと(2)

(1)に続いて,ここでは,事件に取り組む中で実感することについて,書きたいと思います。

弁護士が事件に取り組む場合,多くの場合は,ご本人からお話をうかがって,事態を把握し,方針を立て,実行していきます。

しかし,ご本人が亡くなられた場合,それはできません。

そこで,「いのち」の問題に取り組む場合の多くは,ご本人の「あしあと」をたどることで,ご本人を際だたせる営みを行うことが,大きな割合を占めてきます。

やりとりしたメール,日記,仕事上で作成した文書,走り書きのメモ・・・

その他,亡くなられたご本人が遺して行かれた「あしあと」を,手段を駆使して丹念に拾い集め,整理させていただく中で,ご本人の行動や思いが浮かび上がってきます。

そうなれば自然とその中で,私自身がお会いしたことのないご本人の人となりや悩み,がんばりなどにも触れることになります。

「この時,この人は,こんな状態で助けもなかったのか。さぞや辛かったでしょう」

「これだけ働いていたなんて,本当にしんどかったでしょう」

「本当に最後の最後まで,あきらめずにがんばっていたんですね」

また,ご家族と一緒に「あしあと」を囲んで打ち合わせを重ねる中で,ご本人が真ん中にいるような,そんな思いに陥ることがあります。

ご家族が体験された事実を陳述書などにまとめている際も,ご本人は決してそこにいないのだけれど,同じ思いになることがあります。

そういう営みの中で私自身が得た「共感」を基礎に,最初は茫漠としていた「事実」が,暁光のように浮かび上がってきます。

ご家族や私自身が抱いている「共感」を,どのようにして他者(裁判所や相手方など)に理解してもらえるように構成するか。

想像力と構成力が要求される,弁護士としての腕の見せ所,です。

こうやって,「あしあと」(=証拠)を集めて整理し,「事実」に構成していく。

その過程の中で,何が真実か,誰が責任を負うべきか,再びこのようなことが起きないためには何が必要なのか,などが少しずつ明らかになっていきます。

ご家族がそういった過程の中で,断ち切られてしまった家族の関係を再び構築して行かれることも多く,とても心があたたまります。

もちろん,ご本人が亡くならずに生きていて,共にがんばれた方が良かったと思います。

しかし,起こってしまった取り返しのつかない状態の中で,ご家族が事実をつきとめ,ご本人の名誉を取り戻す営みを取り組まれる際,私たちを必要とされるなら,一生懸命お手伝いしたいと思っています。

それもまた,ご本人の「喪」に欠かせない,大切な営みだと思うのです。

(2008/09/11)

「いのち」の問題に取り組むこと(1)

弁護士登録して以来ほぼ常に,過労死や過労自殺の事件などをはじめ,人の「いのち」が失われてしまった事件に取り組んでいます。

先日経営幹部の書類送検があったJR福知山線事故ご遺族・負傷者の支援活動についても,その中の大きな一つです。

 

私は,亡くなられた人たちの「いのち」の問題について,弁護士のライフワークとして,積極的に取り組んでいきたいと考えています。

それは, この問題こそ,単なる「結果」を得るためだけではなく,そこまでの「過程」が大切だと実感しているからです。

 

突然の事故や事件で人が亡くなられたとき,茫然自失の後,遺されたご家族にとっての第一歩は,

「何が起こったのか」「なぜ,こんなことになってしまったのか」

というところから始まることが多いように思います。

渦の一番中心であった犠牲者が既に亡く,そもそも何が真実かすらよく分からない。

当時犠牲者の近くにいた人たち(加害者であることが多い)の言葉が重くなり,何を信じて良いのかわからない。

そういった状況の中で,犠牲者を弔い事後処理をしなければならないという,とても辛い「喪」の途に立たされます。

その中で,大切なご家族を失うに至った経緯や事実を知りたい,明らかにしていきたいとお考えになった場合でも,何をどのようにして良いのかわからないまま,苦しい思いを続けている方も多いと思います。

 

ある介護事故に取り組んだ際,長年連れ添ったご主人を亡くされた奥様から,

 

「この身が灰になるまでがんばって,何でこうなったのかつきとめたい。

でも,私自身は何をしたらよいかわからないので,(弁護士に)お願いするしかできない」

 

という言葉をいただいたことがあります。

「この身が灰に…」という言葉は,忘れることができません。

 

こういったご家族の方の「思い」を受けて心を動かされ,手段を駆使して思いを実現することこそが,弁護士の使命であり,やりがいだと思います。

 

事件を取り組む中で実感していることは,(2)で触れたいと思います。

(2008/09/11)

長岡京音頭

昨日6日,長岡京市にある向日が丘養護学校で開かれた,「乙訓障害者夏祭り」に参加してきました。

お祭りでは,ラテン音楽やピエロの演し物,教職員組合の方や各種関連団体のお店などが出ており,にぎやかな雰囲気でした。

お祭りのクライマックスに盆おどりがあり,おどりのシメは,「長岡京音頭」でした。

「あ~,春はナ♪・・」で始まるこのおどり,小学校時代に毎年,一学期終業式後の夏祭りでおどっていたという,とても懐かしいものです。

「せっかくやし,昔とったきねづかでおどってみようか」と思ったのですが,保存会のみなさんがおどっているのを見ると,なんと,昔の記憶と全然違う振り付け!

むざんなおどりを披露してしまいました。。

。。あれは,最近振り付けが変わったりしていないですか?

でも,盆おどりでは,障害者のみなさん,長岡京音頭保存会のみなさん,その他参加者のみなさんが一緒になって楽しそうにおどりの輪をつくっていました。

地域に住み暮らすみんなが,お互いの多様性の中で一緒に楽しむ。おまつりを運営された関係者のみなさんの心が行き届いていたからこそだと思います。

昔ながらの村祭りとはひと味違った,これもまた地域のコミュニティがつくるお祭り。

こういうコミュニティが続いていくことのお手伝いも,今後是非していきたいと思います。

 

(2008/09/07)

離婚事件についての基本的な姿勢(1)

らくさい法律事務所で離婚事件を担当する際には,次の2点がポイントだと考えています。

①他の事件に比べても,より一層お客様のご希望・お気持ちを大切にした解決をめざすこと。

② できる限り相手方との話し合いによる解決をめざすこと。

なぜ,このように考えているかについてご説明します。

①お客様のお気持ちを大切に

らくさい事務所では,どのような事件においても,お客様のお気持ちやご希望を大切にしたいと心がけています。

しかし,離婚事件は,お客様の人生にとって,お子様や配偶者との関係のあり方という,単にお金でははかれない問題を扱うことになります。

そこでは,お客様のライフスタイルや人間関係についての考え方が,事件の進め方に大きく影響してきます。

そこで,例えばお金の貸し借りや代金請求などと比べても,弁護士がお客様の気持ちを理解し・共感してサポートすることが,特に大切になると考えています。

②できる限り話し合いによる解決を

離婚事件の特徴は,事件が終了した後も,夫婦関係にあった相手との関係がすぐに切れないケースが多いことだと思います。

つまり,お子様がおられる場合などに,養育費や面接交渉などの問題があり,お子様が成人するまではこの限りでは関係が続いてしまうのです。

お子様の養育者になった方にとっては,相手がしっかり養育費を払ってくれるかどうかが大きな問題です。

逆に,相手方が養育者となっている場合には,相手が責任を持って面接交渉に応じてくれることを,何としても確保したいと考えられることでしょう。

ここで,これらの問題を最後まで(判決や審判まで)争った場合,仮に裁判所から有利な判断をもらえたとしても,相手の協力がないと,権利の実現がうまくいかない場合があります。

例えば,養育費を支払わないとか,面接交渉に応じてくれない,といったケースがよくあります。

その場合,さらに裁判所に働きかけて権利の実現をめざす手段もあるにはあります。

しかし,どうしても手間や時間,費用などがかかってしまいますし,相手の状況や態度によっては,それでもうまくいかないケースさえあります。

やはり,相手が自発的に約束を守ってくれるのが,長い目で見ると一番労力が少なくてすみます。

「約束を守るのは当然」なのですが,残念ながら,相手がそのように誠実であれば,そもそも裁判手続まで至っていない場合が多いのです。

そして,裁判所から一方的に言い渡されるよりも,「守ります」と宣言してもらうほうが,相手自身にとって最低限の「重し」になることが案外多いと考えています。

(判決・決定も,調停成立・和解も法的効果は変わりませんが,自分で宣言した分守ろうとする可能性が高い,という意味です)

もちろん,何が何でも話し合いで終わりさえすれば良いとは考えていません。

客観的事情や相手方の態度によっては,時間と労力をかけてでもスジを通したり,毅然とした態度を取るべきだと思いますし,その場合はj迅速・果敢に行動していきます。

特に,お子様の親権者となった方にとって,相手が正当な理由もなく養育費を支払わない悪質な場合が少なくありません。

そういった場合は,強制手続を含む様々な手段を使いながら権利の実現をめざします。

らくさい法律事務所では,お客様それぞれの事情に応じて,様々な選択肢や方法などをアドバイスし, 納得のいくご判断をしていただくサポートをしていきたいと思っています。

(2008/09/03)

わかりやすいご説明を

法律相談などで,お客様に対してご説明を差し上げていて,口頭でお話しするだけではうまく伝わらないこともあります。

やはり,法律の問題は難しく,一度聞いただけでしっかり理解できる方は,とても能力の高い方だと思います。

私としても,何度かお話を差し上げる中でわかっていただければ十分だと思っていますし,お客様も,そのように考えてリラックスしてご相談いただければ幸いです。

 

ちなみに,当事務所では,お客様からご希望があるか,なくても弁護士が必要だと判断した場合,

 

報酬見積もり書

 

を作成しています。

この報酬見積もり書には,

①お客様からお聞きした事件の概要,

②弁護士がその時点で見立てた事件の見とおしと想定される解決方法,

③その方法をとった場合にかかる料金や報酬など,

を記載しており,お持ち帰りいただいてご検討いただくことができます。

 

さらに,事件の内容が複雑であったりして,口頭ではご理解いただくのが難しい場合,パワーポイントなどを使用してご説明を差し上げる場合などもあります。

これは,団体の会合や会社の役員会などといった場所で,担当している事件のご説明を差し上げる場合などにしばしば用いています。

紙媒体よりも,短時間でうまく内容をご理解いただける場合もあり,今後も状況に応じて活用していきたいと思っています。

 

いずれにせよ,当事務所では,わからないことは全く恥ずかしいことではありません。ご安心してご相談いただければ幸いです。

(2008/08/29)

労働事件に取り組みながら思うこと

私は,労働事件について積極的に取り組む弁護士の1人ですが,なぜ積極的に取り組もうとしているかについて書きたいと思います。

一口に「労働事件」と言っても,パワハラ,セクハラといった職場内の嫌がらせやいじめの問題,サービス残業の残業代請求や労働条件の改善,労災や過労死,過労自殺などの問題など多岐にわたります。

これらの事件の多くに共通しているのは,

①職場内が一種の密室で,証拠に乏しいことがよくあること,

②雇い主(使用者)と従業員(労働者)の間の力関係に差があって,労働者が泣き寝入りすることが多いこと,

などです。

②については,労働組合が元気な会社であれば,仲間の中で支えられながらがんばって声を上げることができる場合もあるかと思います。

しかし,①については,仕事仲間に証言してもらうことができない場合が出てきたり,証言してもらっても有効なものとならない場合もしばしばあります。

その場合,

①どのようなものが有効な証拠となりうるか,

②その証拠はどんな場所に存在して,入手方法はどうするか,

③どのようにして裁判所や労基署など関係機関にアピールするのが効果的か,

という点から,訴訟などの法的手続きを取ることができる専門家としての弁護士がお客様をサポートしながら事件を進めることが,とても重要になってきます。

この点,証拠の場所・収集方法や,効果的な証拠の使い方などは,スピードや証拠収集での現場感覚をはじめ,この分野で意識的に取り組んできた弁護士が各種ネットワークと連携して蓄積したノウハウによって大きな差が出ます。

私自身も,自分自身の経験とネットワークで得る知識の積み重ねによって様々な手法を取り入れており,腕の見せ所の一場面だと自負しています。

(※具体的な証拠や収集方法については,ブログなどでは公開できないものが多いのでここでは述べません)

しかし,それでも事件によっては,お客様ご自身に大きな負担がかかってしまうことも少なくありません。

ただでさえ,労働者の方は,生活を維持するためにも,働きながら様々なことの準備をしなければいけません。

また,ご本人が倒れてしまわれた場合には,ご家族の方が生活を立て直しながら準備せざるを得なくなるでしょう。

つまり,もともと労働者が雇い主との間でたたかうことには,ハンディキャップがあるといえます。

私は,日々,そういうハンディキャップによって泣き寝入りをする人が1人でも少なくなってほしい,と思って弁護士の活動を行っています。

お客様と一緒にハンディキャップをはねのけ,お客様の声を現実の力にしていくところにこそ,私のよろこびがあると思っています。

労働事件は,このハンディキャップが色濃く出てしまう事件の一つであると言えるでしょう。

そうである以上,私自身が専門家として関わることで,1人でも多くの労働者の方が泣き寝入りをせず,自分自身の声を力にかえていくことのお手伝いができれば幸いだと思います。

労働事件は,そう言う意味で,苦労も多いですが,やりがいのある仕事だと考えています。

(2008/08/27)

「とりあえず内容証明」にご注意(1)

お客様からご相談を伺っていると,

とりあえず,内容証明を出して欲しい

というご相談や依頼を受けることがあります。

形式も「本格的」だし,裁判の証拠にもなるということで,相手にものを申す場合に,とても有効な文書であるように思います。

しかし,この「内容証明」,例えば,

「貸したお金(あるいは売掛金など)が返ってこないので,相手に請求したい」
とか,
「被害を被った相手に対して,慰謝料(賠償金)を請求したい」

というご相談の場合,「とりあえず内容証明を出」してしまうと,かえってお金の回収を困難にすることがあります。

なぜか。
俗っぽく言ってしまうと,相手に「逃げられる」可能性があるからです。

お客様の相手方が,あなたからの支払を求める「内容証明」を受け取った場合,「こんなものを送ってくるとは,●●さん(お客様)は本気だな」という印象を抱くでしょう。

その相手方は,お客様の主張に身に覚えがあっても,「何とか逃げられないか」と往生際悪く考える人ではないでしょうか。

そして,おそらくお客様は,ご自身で相手と交渉しても相手に誠意がないなどで,うまくいかなかったことから弁護士にご相談されようとしていることと思います。

残念ながら,そういう相手方は,来るべき強制執行などに備えて財産隠しを行う場合が少なくありません。預貯金を引き出したり,自分のもっている不動産を誰かに譲渡してしまったり。。。

仮に裁判までやって勝訴しても,相手に財産がないと,こちらに現実にお金を取り返せず,判決も紙切れと変わらなくなってしまいます。

。。と考えてくると,このような相手に対して出す「内容証明」は,「今から攻撃しますよ」と予告しているに等しく,相手方に財産隠しの時間を与えるだけになりかねません。 そして,一旦財産隠しをされると,これを探し当てることはきわめて困難です。

むしろ,これは,「内容証明」を出さないで,債権の保全手続き(仮差押えなど)を行うことが必要な場合,かもしれません。

こう考えてくると,しっかりした見とおしのない「とりあえず内容証明」という考え方は,相手方からの回収のチャンスを不用意に摘んでしまう危険があることを,おわかりいただけたかと思います。

したがって,具体的な見とおしのないままに「とりあえず内容証明」を出す,ということは当事務所では行っておりません。

どのようなやり方が有効か,あるいはお客様の意向に沿ったものか。

当事務所では,お客様から,ご相談を十分伺った上で見とおしを立て,一番有効な方法をご提案したいと考えています。

(2008/08/17)

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