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弁護士 古川拓からのメッセージ

ニュースを見て思うこと(3) その1

以下のニュースを見て,色々考えました。

法科大学院59校が定員割れ  今春入学、13校は50%未満(共同通信)

http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060501000739.html

 

現在,弁護士になるためには,大学を卒業後,年間200万円~300万円近くの学費を2年~3年支払って法科大学院(ロースクール)に通う必要があります。

その後,司法修習生と言う名の研修期間を1年間経た上で資格が与えられるのですが,この司法修習生時代に受けていた給与(おおよそ1年で300万円強)が2年後から貸与制になるといいます。

 

ということは,生活費や書籍代(これも馬鹿になりません)を除いても,弁護士になるための費用として,約700万円~1000万円くらいがかかるということです。

これを全て奨学金などでまかなうと,弁護士になった時点で,これと同じだけの借金を抱えて仕事をスタートすることになるわけです。

これは,よっぽど収入が高くないと,自己破産申し立てが認められてしまうくらいの危険水域だと思うのですが,弁護士は自己破産をした場合資格を失ってしまいますので,破産することもできません。

また,多くの場合,奨学金の連帯保証人に親御さんなどがついておられるので,その点でも自己破産は簡単にできません。

 

しかし,少なくともこの間,新人弁護士の給料(勤務弁護士を「イソ弁」と言います)は下がり続けていて,ひどい場合には給料なしで自分で事件を取ってきなさい,という「ノキ弁」という言葉ができたりしています。

しかも,弁護士は個人事業者ですので,多くの場合,社会保険・年金などは自己負担,当然退職金制度などもありません。福利厚生は限りなくゼロに近いです。

 

以上を総合すると,こういうことになるのではないかと思います。つまり,

親御さんが弁護士になるための費用である700万円~1000万円を用立ててくれる家庭でない限り,弁護士という進路を選択することは,経済的にかなり厳しい状況下に置かれる可能性が高い,ということです。

 

もちろん,弁護士は,自分自身が額に汗して動く職人的な仕事ですので,決して割の良い仕事ではありません。

しかし,お客様の人生や,会社の命運がかかった事件を扱うことも少なくありませんし,高いモラルを持って仕事をすることが強く求められます。

お客様も,「弁護士だから」ということでご信頼いただき,色々なご相談をしていただけるのだと,日々の仕事をしていて実感しています。

 

しかし,「貧すれば鈍ず」ということが,この間の弁護士の増員を見ていると,リアルに感じることがあるのです。

 

その具体的な例を,次回に述べたいと思います。

(2009/06/10)

京都の弁護士 古川拓のひとりごと

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