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弁護士 古川拓からのメッセージ

代理人であるということ -弁護士のスタンス-

法律相談を行っていると,

「当事者間でモメているので,弁護士に中立な立場から立ち会ってほしい」

という依頼の申し込みが,ときどきあります。

また,お客様から依頼されて行う交渉事件で,弁護士をつけていない相手方から,

「(弁護士である私に)間に入ってもらっているのだから,こちらにも納得のいく解決をしてほしい」

と言われることがあります。

このようなお言葉は,弁護士に対する市民のみなさまからの信頼から来ているものですので,そういうご認識をいただいている点について,それ自体が非常識であるとは決して考えていません。

しかし,上で挙げたご依頼は,いずれもお受けしかねるものです。

その理由を簡単に言うと,

弁護士は,あくまで依頼者であるお客様の利益をまもる立場から行動する

ということです。

もちろん,お客様の立場に立って冷静に事案を検討し,

「お客様の現在の意思には100%はそぐわないかもしれないけど,全体を見渡して見とおしを立てると,これがよりベターな解決だと思われる」

と判断したときには,お客様のお気持ちとは違った内容や方法を,提案する場合があります。

しかしそれはあくまで提案であって,お客様の意思に反した内容を相手と相談して勝手に決めてくる,などといったことは絶対にしません。

また,相手方に対して,こちらの示した条件が相手にとっても悪くない解決であることについて,理を尽くした説得を惜しまないつもりです。

しかし,私がそれをするのは,説得によって早期に紛争を解決することがお客様の利益にかなうからで,相手方のためではありません。

相手方は,ご自身でお考えになるか,別の弁護士に相談・依頼するなどして自分自身の利益をまもるべきだと考えています。

ちなみに,私としては,「間に入って双方の利益を考えた解決を行う」ことが機能するのは,次のいずれかの場合だけだと考えています。

それは,

①争いごとの当事者双方が,間に入った人やその人の判断に対して全幅の信頼を置いている場合,

②間に入った人が,自分の考えた解決策を双方に対して強制する力を持っている場合,

です。②の典型例は裁判所でしょう。もちろん,常に裁判所が双方の「利益」を考えているとは言えませんが。。

①は,,,,残念ながら,このような人(機関)に出会うことは稀です。もちろん,弁護士だからと言うだけで当然に①に当てはまるなどとは,とても言えません。

やはり人間にとって,どちらの立場にもいい顔をするというのは,何となくうさんくさい,ということになってしまいますしね。。

ちなみに,弁護士には「相手方の協議を受けて賛助し,又はその依頼を承諾した事件」の受任禁止が法律上義務づけられており(弁護士法25条など),原則として当事者双方の代理をすることができません(※)。

ご依頼を受けて,お客様の利益をまもるお仕事をさせていただく以上,この点については厳しくまもっていく必要があると考えています。

 

 

弁護士でない方(士業含む)については,そもそも業として法律事件(交渉事件も含む)の代理・仲裁若しくは和解を行うことが刑事罰を以て禁止されています(弁護士法72条,77条など)。

(2008/12/20)

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