弁護士 古川拓からのメッセージ
消費者被害(1) クーリングオフ期間の開始時期について
今日は,クーリングオフ制度のお話しをしたいと思います。
まず最初に,簡単に前提知識を入れましょう。
「クーリングオフ」制度とは,簡単に言うと,一旦申し込んだ契約の撤回や解除ができる制度で,「頭を冷やす」という意味からこの名前がついています。
しかも違約金などの発生がないという消費者側に有利な制度なので,あとで「やっぱり買うのを止めておこう」という時,とても便利です。
制度の概要については,経済産業省の近畿経済産業局HPなどで説明しているのでご参照いただければと思います。
ここでは,
「契約(申込)してから,8日間が経ってしまっているんだけど。。。」
というご相談があった場合でも,まだクーリングオフできる場合があるということについてご説明したいと思います。
すなわち,クーリングオフ期間は,業者が消費者に「法定書面」を交付してから進行し始めます。
そして,この「法定書面」は,経済産業省などの省令で記載すべき事項が厳格に決められているのです。
具体的には,
「会社の名前だけでなく代表者名が必要」
「契約締結を担当した担当者の氏名が必要」
「商品の種類や数量が『一式』『1セット』などではダメ」
「クーリングオフ制度の説明については,赤枠の中に赤字で書き,文字の大きさが8ポイント以上であること」
などなど,業者は詳細な書面を作成する必要があるのです。
ということは,業者から法定書面の要件を満たさないいい加減な書面しかもらっていない場合,クーリングオフ期間がそもそも進行を開始していない可能性があります。
その場合,契約(申込)した日からクーリングオフ期間とされる日数が経過していても,そもそも期間のカウントが始まっていない以上クーリングオフが可能となります。
このように,消費者関係の法律は,業者に厳しい要件を課すことによって,業者が消費者を食い物にすることを防いでいます。
また,仮にクーリングオフ期間が終了していても,消費者契約法による取消が可能な場合もあります。
したがって,被害に遭ってしまったとしても簡単にはあきらめず,弁護士に相談するなどして挽回していきましょう。
※もっとも,契約の対象となった商品の種類によっては,そもそもクーリングオフができない場合があります。(例:不動産売買契約を業者の事務所で締結した場合など )
ただ,この場合においても,消費者契約法に基づく取消などが可能な場合もありますので,あきらめずに弁護士にご相談されることをお勧めします。
→これらのことについては,また後日お話ししたいと思います。
(2008/10/03)