弁護士 古川拓からのメッセージ
祇園祭とトコロテン
祇園祭の季節がやってきました。
既に夕方の京都市内では山鉾が各通に出ており,交通規制も相まって混雑しています。
祇園祭にちなむ食べ物といえば鱧料理といったあたりがすぐに思い浮かびますが,私にとっては「トコロテン」が,忘れられない思い出です。
確か,小学校4年くらいだったと思いますが,母方の祖父母が京都に祇園祭見物に来るということで,学校を休んで一緒に山鉾巡行を観に行きました。
例年に漏れずその年もすごく蒸し暑く,山鉾巡行の後半が雨になったことを覚えています。
雨を避けて入った喫茶店で出てきたのが,初体験の「トコロテン」でした。
当時の私にとって喫茶店に入るというのは年に一度もない経験で,自分で注文することもせず,ただただ出てきたものを食べたわけですが,その喉ごし・食感に,こんなにうまいお菓子があるのかとびっくりした記憶があります。
その際,祖父母が「これはトコロテンという食べ物だよ」と教えてくれたと思うのですが,これがどうしても思い出せず,長らく再び口にすることができませんでした。
その後の家での会話,
私「こんな感じの食べ物だったけど,名前が思い出せない」
母「うーん,それは水無月かな?」
私「そんな名前だったかもしれない」
ということで買ってきてもらった「水無月」を前に,「こんなモチッとしたものではなかったな。。」とがっかりしたこともありました。
「だんごどっこいしょ」という昔話がありましたが,まさに同じ状態で,もどかしくもたどり着けない「幻の」お菓子だったわけです。
その後時間が経ち,大学生になってからトコロテンに再会し,「そうそう,この食感!」と,非常に懐かしい思いをしたことを覚えています。
今では,祖父は既にこの世を去り,祖母に会いに行く機会もなかなか持てないでいる現状ですが,祇園祭の時期が近づくと,いつもこのことを思い出しています。
(2008/07/16)

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