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弁護士 古川拓からのメッセージ

大山崎水裁判

先週土曜日に,大山崎町と京都府の府営水道を巡る訴訟について,長岡京市の市民団体向けの講演を行ってきました。

この裁判は,現在京都地方裁判所で争われており,3月に判決が出ます。

 

争点を,誤解を恐れずに単純化すると,

①大山崎町の「府営水道を1日3704立方㍍だけ買います。」という「申込」と,

②京都府の「府営水道を1日7300立方㍍買いなさい。」という「決定」の,

どちらが法的に正しいと言えるか,ということになるかと思います。

このことを巡って,行政法上・契約法上の理論的な争いから事実認定まで,様々な争点が出てくるのですが,私としては,この裁判は,地方分権のあり方を問う,非常に根深い問題だと考えています。

 

歴史的に見て,府営水道をはじめとする水政策が,国(国土交通省)や京都府の主導によってつくられ,流域の地方自治体がこれを下請けする形で進められてきていますが,これに大山崎町が「モノ申し」てこの裁判が始まったわけです。

しかし,そもそも憲法上,都道府県と市町村は「上下関係」ではなく,「独立・対等」が大原則のはずです(これを憲法学上の言葉で「団体自治」といいます)。

これまでは,「国→都道府県→市町村」,という上下関係の構造ができていて,各自治体は上位の機関の下請けをさせられてきたという歴史的経緯があります。

とはいえ,原則論から言えば,京都府が大山崎町に一方的に水道水の引受を強制できるとすれば,それは対等とは言えないでしょう。

結局,京都府側としては,一旦計画を立てて始めた以上,計画通りに市町村が水を買ってくれないと財政破綻になりかねない,という偽らざるホンネがあるわけです。

そうならないためにも関係市町村としっかり協議を行っていく,それが政治というモノですが,今回の京都府の対応は,少なくとも記録を見る限りそういう姿勢ではなかったように思います。

そういったことも含め,私としては,今回の争いは(最終的決着はともかく)大山崎町に理がある,と考えています。

 

もっとも,裁判所が弱者である大山崎町を勝たせるためにはそれなりの勇気が必要で,判決自体は予断を許しません。

ただ,この問題は裁判の帰趨を問わず問題になり続けますので,注目して見守っていきたいと思います。

(2010/01/26)

京都の弁護士 古川拓のひとりごと

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